梅雨空の果て
午前11時。車を運転している時に強烈な吐き気に襲われた。すぐさま近くのコンビニに車を停めて、口元を手で抑えながらトイレに駆け込むと、その場で大量に嘔吐した。全身から力が抜け、しばらくは立ち上がることすらできなかった。
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心身が疲弊している。最近は足りないマンパワーをなんとか補おうと、私という人間にできる以上の仕事をこなしていた。体感で130%の頑張り。そんな限界突破の状態を90日も続けてきた。
全身には痒みを伴う湿疹が何箇所にも広がり、下痢症状が続く。そのような中で起きたこの度の嘔吐。体と心が上げている悲鳴に、今度こそ私はちゃんと耳を傾けなければならないと思う。
最前線に立つ私達は人員減少のあおりを受けて過酷な消耗戦を強いられてきた。それも限界点に達しようとしている。このままでは私が倒れるのも時間の問題。この窮地を乗り切る方法はないだろうか。
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どんよりとした梅雨の曇り空。私の心も同じようなもの。───梅雨はいずれ明ける。澄んだ青空がその先に待っていることを信じて、薄暗い道を一歩ずつ確かめるように歩いていく。