決意の夜に
私史上最長残業記録を更新した。これでも仕事を残したまま退勤してきたので、もしすべてを片付けて帰宅しようとしていたなら、控えめに見積もってもあと1時間半は残業する必要があっただろう。
帰りに空を見上げた。
月が自らの存在を誇示するように輝いているくらいで、星々の姿は見えなかった。大きな存在に隠れてしまう有象無象。きっと、私も見えない星と同じようなものだ。どれだけ輝きを放とうと頑張ったって、より大きな輝きの前では無力でしかない。私の頑張りは、観測されない。
「辛いとき辛いといえたらいいのにな」──アクアタイムズの曲にあった歌詞。頑張ったって観測されないんだから。頑張らずに、辛いことは辛いと言っていこう。